いろいろなスポーツで勝ち負けの決め方を比べると、
相手と対戦して「得点を競う」競技と、「記録を競う」競技に分けられる。
得点を競う競技は例えば野球とかサッカーとか。
記録を競う競技は例えば陸上とか体操とか。
得点を競う競技は相手がいるから、
対戦の結果で自分の得点というのは自分の実力を客観的に表したものではない。
対戦相手との相対的な結果だ。
記録を競う競技は、大会参加者の中の順位っていうほかに
自分の記録との戦いっていう面もある。
大会で順位が最下位だったとしても、
その記録が自己ベストであれば達成感があるんじゃないかな。
得点を競う競技の場合、実力差が近ければ
作戦とか駆け引きで展開が変わることがある。
自分がベストのプレーをすることだけに気を取られて
作戦や駆け引きまで気が回らないとなかなか勝てない。
スポーツだけじゃなく、学校の勉強なんかも記録を競っているんだろうな。
同じ問題をみんな一斉に解いて、点数で順位が決められる。
学校の成績を「対戦型」で決めたらどうなるだろう。
クラスの中でトーナメント表を作って、
対戦相手とお互い1問ずつ何回か出し合って、正解が多いほうの勝ち。
最後まで勝ち残った人がクラス内ランキング1位。
どうすれば相手に勝てる??
何問か出してるうちに、「あ、こいつ、さては算数苦手だな。」って気付いたら、
とことん算数の問題ばかり出すといい。
もう自分が算数苦手なことなんか棚に上げて。
「この子、理科が得意そうだけど、あたしも理科好きだから
理科の問題出しちゃお。」なんてやったら勝てるかどうかわからない。
こんな感じに考えると、
得点を競う「対戦型」の競技で勝つコツはなんとなくわかるんだけど、
いつも自分のレベルアップに余念がない現役選手は、
自分のプレーにのめり込むあまり、
こういった基本的なことに気付かなかったりするし、
対戦型で有利になる秘訣として相手の情報をより多く取り入れるための
コミュニケーション力(りょく)が大事になるような気もする。