自分が高校の時の修学旅行だ。
観光バスに乗って名所旧跡を回るような感じで、
日程の後半に、帰りの新幹線に乗る駅が近づいてきたころ、
それまでずっとついてもらったバスガイドさんが
「皆さんの学校の校歌を聞かせてもらえますか？」と言ってきた。
ちょうどうちのクラスには応援団長がいたこともあって、
そいつがすぐに音頭をとって、みんなで校歌の１番をさらっと歌った。
歌い終わってふと見ると、バスガイドさん、うつむいて泣いている。
拍手の音も聞こえて、見ると運転手さんが運転用の白い手袋をはずして
１人で拍手してくれている。（信号待ちで停まってるときだったか？？）
なんだ？どうした？と思っていると、バスガイドさんが
「校歌を歌ってくださいってお願いしてもなかなか歌ってくれなくて…」
「こんな大きな声で歌ってくれたのは初めてだった…」
とのことだった。
自分たちは田舎の゛素直な゛高校生だったのだろう。
校歌歌うぐらいなんでもなかったのに思わぬ展開で妙な気持ちだったが、
なんとなく喜んでもらえたような気になったものだった。
