数学のかけ算で、マイナスの数をかけると答えは
プラスマイナスの符号がひっくり返る。
なんで??
なぜそうなるか、っていうことを突き詰めるよりは
「そうなっている」っていうことにするだけで
かまわないんじゃないかな。
数学(算数)の式って、
言葉で説明すると長ったらしくなってしまうから、
簡単な記号で置き換えて表してる。
「+」は、その前後の数字を合わせる、という意味。
「×」はその前の数字を、その後の数字の回数分足す、という意味。
それで、「マイナスをかける」っていうのは、
「かけてからその符号をひっくり返すという意味」。で、
いいんじゃないかな。
だいたい「マイナスをかける」っていうのが
すでに身の回りの日常にはない架空の考え方だ。
かけるっていうのはその回数分足す、っていうのが元々の意味なのに、
マイナスをかけるってどういう状況なのか、・・一応は
「その回数分引く」のかな。ちょっと自信ないけど。
2×(-3)は、2を3回引くから-6、でいいのかな。
(-2)×(-3)は・・-2を3回引く・・?つまり6増える?
「+6」になるかな?やっぱりちょっとあやしいな。
実はもっと簡単な式でも、
すでに日常じゃありえないことをやっている。
小数点がある数字で割る、とか。
10個のりんごを5人で分けたら1人あたり10個÷5人=2個ずつ。
10個のりんごを0.4人で割ったら・・「0.4人で割る」って
なんのこっちゃ、って感じだ。
マイナスっていう数字も元々は日常じゃありえない。
5個あったりんごから7個とったら残りは?
そこで「マイナス2個」って・・ない。ないものはない。
「2個足りない」っていう表現に置き換える方法はあるけど。
そうやって、日常じゃありえないことなんだけど、
マイナスっていう考え方を発明したり、
分数とか小数っていう考え方を発明したりして、
そうすると計算を先に進めることができて都合がいいし、
出てきた答えも解釈によってはつじつまがあう。
「ゼロ」ですら元々あった考え方じゃなく、
大昔にだれかが「発明」(「発見」なのかな?わかんない。)
して使われるようになったらしい。
マイナスをかけるっていうのもそうやって発明されたんだろう。
でもせっかく、
マイナスをかけると符号が変わるっていうことにしたのに、
そのうち「2乗するとマイナスになる数字」とか出てくる。
わけわかんないんだけど、
「なんで2乗したのにマイナスなの?」とか考える必要はない。
そういう数字があることにすると
計算を先に進めることができて都合がいいときがあるんだな。
割り算で、ゼロで割るってできないことになってるけど、
それもそういうことに決めたんだな、たぶん。
自分がこれを学校で習ったときに先生が
「だってゼロで割るってどういうことか言葉で説明できないだろ。」
って言ったのを覚えているが、先ほど書いたように、
もっと初歩的な計算でも言葉で説明できないことはたくさんあって、
そっちは成り立つことになってて、あまり疑問に思われることもない。
ゼロで割るっていうのも例えばこれをありにして、
なんか記号使って表すようにするっていう手もあったのかもしれないけど、
そこは歴代のたくさんの数学者の人たちが考えて、
やっぱりそりゃなしだよな、あまり都合がよくなるわけでもないな、
ってなったんだろう。
数学の公式なんて何の役に立つのかわかんないことやらされて・・って
思う人もいると思うけど、
こうして、決まったルールと限られた条件の中で答えを導き出すような、
社会に出るとしょっちゅうあるような課題解決能力の訓練をやっている、
っていう一面もあるんだと思う。