東日本大震災が起きてから10年がたった。
自分は津波の被災者ではない。
被災した方々がどれほどつらい思いをしたか、
簡単にわかったようなことは言えない。
震災後から被災者や被災地は「復興」を目指して懸命に進んできた。
復興・・ってなんだろう。
元の暮らしに戻ること?
元の暮らしを取り戻したうえで、
きっとこのぐらい幸せになっていたはずだ、という姿に近付くこと?
もしかしたら、震災がなかったとしても、
別な要因で生活が一変していたかもしれない。
交通事故とか病気とか人間関係とか。
過去のできごとに関わらず、その後も日々時間は進んでいくし、
元には戻らない。人生はその連続だ。
過去の、なにか自分が気付いていない幸運によって
今の自分があるのかもしれないし、
もしかしたらそっちのほうが大きいのかもしれない。
自分はこのぐらい幸せになっていたはずだ、っていう主観を基準にすると、
現実はそこからのマイナスっていうとらえ方になってしまうんじゃないかな。
復興っていう完成形があるわけじゃないし、
そこがゴールっていうことではないんだろうな。