ちょっと前に、結婚してからの夫婦別姓が認められるかという裁判のニュースを見た。
いうまでもなくだいぶ前からいろんなところで議論されている。
人それぞれいろんな立場や思い入れ、こだわりがあって、
いろんな価値観が広がっている。
自分はどちらでもよいと思うが(と書くと、
これまた名字が恐らく変わることがないであろう男の偏見だ、と
捉えられかねないのが、やはり難しい問題でもあるけど)、
うちの会社では「旧姓使用」が認められている。
希望する人は結婚後の本名じゃなくて結婚前の旧姓を名乗ることができる、
というものだ。
これもやはり人それぞれの価値観で、使う人、使わない人いろいろなようだが、
会社の中やビジネスパートナーとのやりとりでは旧姓を使えることにしても、
世の中には本名じゃないと通じないものがある。
例えば、銀行口座とか本名じゃないと作れない。
あるとき、会社で社員に対する経費支払いのことで社内の経理担当から
問い合わせが来て、自分は直接の担当ではなかったものの、
たまたま自分が電話を取った。
相手が「Aさんはいますか?」というが、
そのときに自分がいた部署にはいない名前だった。
「うちにはAという社員はいないです。」と答えたが、
そっちにいるはずだ、という。
いる、いない、と軽く押し問答になってしまった。
その電話のやりとりを聞いていた同僚がそのへんの事情が分かっていたらしく、
「Bさんのことですよ。」という。
え・・??
電話の相手は社員の口座を管理している経理担当で本名しかわからない。
こちらはBさんの本名がAさんだと知らないで普段仕事をしている。
その人なりに何か理由があって、
制度で認められたとおり旧姓を使っているのだと思うけど、
これって、「Bさんの本名はAさん」っていう周りみんなの共通認識がないと
間違いのもとになってしまう。
でもそうなると「本名はAさん」ってみんなわかりつつ
「Bさんって呼ぶごっこ」をしているような感じだ。
結婚した人の旧姓や本名を含めて人やものについている名前って、
周りから見てその人やものを識別、特定するための記号っていう要素があるし、
むしろ名前の起源ってそれなんだろうと思うんだけど、
やっぱり人それぞれいろんな事情とかあるんだろうから
一般論で片付けちゃいけないのかな。
それもこれも、結婚したら姓が変わるっていう制度がいけないんですヨ、ってことか。