BlueLunchboxのブログ

喝采

コロナにおびえながらも世の中、お盆シーズンに入った。

自分は会社で一斉に休みを取るのではなく

だれかが出勤してるようにということもあって、

連続しての休みは取らず、自分の活動に合わせて

ポツポツと単発で休みを取ってる。

カレンダーの上でいま3連休になってて、

自宅で存分に自分の活動ができているが、それでもちょっとヒマだ。

 

インターネットでいろんな動画を見ているうちに、

「懐かしの昭和のヒット曲」みたいなのにはまっていった。 

どれも自分が昔リアルタイムで聴いたことがある曲だ。懐かしい。

 

そうして時代をさかのぼりながら何曲か聴いてるうちに、

強く心を揺さぶられる曲があった。

ちあきなおみの「喝采」(かっさい)だ。

 

歌詞や曲も素晴らしいし、この歌詞に「喝采」というタイトルをつけた

センスも素晴らしいが、特に歌唱に強く引き込まれた。

3分ほどの短い曲、派手な振り付けがあるわけじゃなし、映像技術による

演出があるわけでもないが、1本のドラマを見せられたかのように壮大だ。

  

調べてみたらこの曲、当時レコード大賞最有力とされていた別のヒット曲

に対して、発売3か月にして形勢を逆転してレコード大賞を受賞している。

そのときの映像も見ることができた。

思いがけない受賞とステージ上でのハプニングもあって

本人も動揺があったであろう、2番の歌詞を間違えたようだが

(この映像は後になってそれを描いたドキュメンタリーのようだが、

歌い手を尊重してあえて間違えた歌詞のとおり字幕をつける、この情の深さ!)、

それ以外はあふれる感情をこらえながら最高のクオリティーの歌唱を披露している。

まばたきひとつせず大観衆を前にこのパフォーマンス!圧巻だ。

曲の中ではプロフェッショナルな歌手が歌われているが、

これを歌っている本人のプロフェッショナルぶりもすごい。

この人、このとき25歳だったんだってよ!?

 

この時期のレコード大賞はこんなにも重いものだったんだな、というのも感じるし、

動画のコメントで最近の楽曲の軽さを嘆く向きもあるようだが、

最近はこういった肉声だけで聴かせられる本物の「ボーカリスト」は少ない。

時代のニーズも違うのだろう。

それを思ってもまさに「喝采」にふさわしい一曲だ。